避けたままにはしておけない食材
実習の献立には、自分が普段はまず口にしない食材が当たり前のように並んでくることになります。苦手だからと途中で手を引いてしまうと、その日に学べるはずの工程がまるごと抜け落ちてしまいます。
苦手な食材を避け続けていると、扱いに慣れないまま学年が進み、後で困る場面が増えていきます。試験で出される課題や現場での仕込みは、こちらの好みに合わせて中身を選んではくれないからです。
苦手意識の多くは、味そのものよりも扱い方が分からないという不安から来ていることがあります。切り方や火の入れ方の見当がまるでつかないと手が止まり、そのために余計に遠ざけたくなるのです。
班の中で苦手な食材を人に押しつけてしまうと、その場は収まっても学びの機会を手放すことになります。周りの人も気づいており、後になって自分だけが同じ工程を通っていないと分かる場面がやって来ます。
苦手を一つずつ減らしていく手立て
苦手な食材と向き合うときは、いきなり主役として扱わず、脇の一品から触れてみると入りやすくなります。少量を扱う工程を何度か通しているうちに、手が形を覚えて抵抗が自然と薄れていくことが多いようです。
下ごしらえの段階を丁寧にたどると、それまで苦手だと思っていた理由の正体が見えてくることがあります。えぐみや香りの出どころが分かってくれば、手当ての仕方も自然と組み立てられるようになります。
同じ食材でも切り方や火の当て方を変えるだけで、口に入れたときの印象は大きく移り変わっていきます。一度うまくいった形を覚えておくと、その食材への構え方がそれだけでずいぶん軽くなっていきます。
調理師専門学校で扱う食材の幅は広く、資格に向けた勉強の中でも産地や性質を学ぶ機会があります。料理として組み立てる前に、その素材の成り立ちや旬を知っておくと向き合い方がずいぶん変わります。
まとめ
苦手な食材を避けたままにしておくと、後の学びや現場での仕事で行き詰まってしまう場面がいずれ必ず訪れます。早いうちに一度でも自分の手で最後まで通しておくことが、遠回りに見えて実のところ最も確かな備えになってくれます。
向き合うといっても、無理に好きになる必要はまったくなく、扱えるようになりさえすれば十分だと考えて構いません。手順としてしっかり身についてしまえば、自分の好みとは切り離して落ち着いて仕事を進められるようになります。
苦手だった食材が一つ減るたびに、自分が組み立てられる献立の幅は目に見えて確実に広がっていくことになります。避けずに通り抜けてきた経験の数が、そのまま卒業後に立つ厨房での落ち着きと余裕へと確かにつながっていきます。調理師専門学校のことならこちら